最近買ったアフリカのトンボ玉のブレスレット。私はアフリカの工芸品が大好きで、今までに買ったものは絨毯、マスク、ベッド(一本の木から削りだしたもの)、木工品、藍染め(アフリカの藍は木で発色が鮮やか)、と数えだしたらキリが無い。ベッドはまだ日本ではあまり見かけなかった頃にパリのサンジェルマン・デ・プレ教会の脇を入った辺りのアフリカ工芸店で買って飛行機で持ち帰ったというものである。アフリカの人たちのセンスは独特でその魅力は限りなく私を惹きつける。 アフリカのトンボ玉は昔ヨーロッパの植民地支配国がアフリカの原住民との交易で物々交換として使用したものだ。それを砕いて新たなトンボ玉を作ったアフリカ人の素晴らしいセンス。そのトンボ玉を初めて知ったのは光徳寺の第19世住職故高坂制立師が持っていたのを見た時であった。このトンボ玉もただ無作為に繋いだだけのように見るが、そこにはセンスを感じるのである。 トンボ玉は人気があって日本でも新しいものが沢山作られている。それらはとっても綺麗だけれど、でも私は魅力を感じない。アフリカの年代物は真似ができない美しさなのだ。センスと年代はどうしようもない。エジプトの出土品などは一個で数百万円もするのもがあるそうだが、なんと不思議で面白く、魅力に満たトンボ玉だろう。 これを腕にはめていると物々交換で使っていた時代がじわじわとが伝わってくるような気がする。大事にしよう。 ■ 2012年8月28日(火) 母は100才! 去る21日、私の母小出よし子の100歳の誕生日を祝って子供達とそれぞれの家族総勢8人が母が居る名古屋の妹の家に集まった。母が産んだのは一番上が兄で、それから私、私の下に妹が二人という4人である。この日、一番遠くからきたのは末の妹で、はるばるフロリダからアメリカ人の夫と共にやってきた。私とフロリダの彼とは20数年ぶりの再会だった。兄夫婦は東京の板橋から、上の妹の息子は川崎から、私たちは横浜からやってきたのである。あと来られなかったウィーンに居る上の妹の息子一家や、アメリカに居る下の妹の娘、横浜、京都、出雲にいる私の息子達11名が参加していたら21名になっていたはずである。 母は1912年(大正元年)生まれだが、よくもまあ長生きをしたものである。私が小学校の頃の母は喘息がひどくてとても弱かった。その母が1世紀も生きたのだから、きっとどこかで体質が変わったのだろう。最近でもよく食べてよく寝るのが元気のモトだと思う。第二次世界大戦では当時住んでいた岡山市の空襲の時に赤ちゃんだった妹を背負って火炎のなかを走り抜けた母、あれから60数年の月日が流れたのである。苦しい時代を乗り越えて子供達を育ててくれた母。耳が遠いことと、忘れっぽいことを除けばとても100歳にはみえない。今でもオルガンで賛美歌を弾いてくれるほど元気なのだから、まだまだ長生きをしてくれなくちゃ。皆で食べた料理がことさら美味しかった。私は気分が良かったのでついついウィスキーを飲み過ぎたて10年数年ぶりで酔っ払ってしまった。 この写真を撮ってから見てみると手前右で肩を寄せ合っているのが夫婦に見えるではないか。これには一同大笑いをしてしまった。実は頭が邪魔をして後ろに居る妹の顔が見えないのでこうなったのである。この日の夕焼けは実にきれいだった。 母はこの翌日、白内障のため一日入院して手術をした。昔、同じ名古屋に居て人気者だった金さん銀さん姉妹も100才になってから白内障の手術をしたそうであるから安心して医者に任せたわけである。 名古屋行きも新東名が御殿場→三ヶ日間の開通で随分楽になった。 ■ 2012年7月22日(日) ユルンヤコブ・ティムと次男のアンドレアス・ティム 岐阜の花フェスタ記念公園内の花のミュージアム ホール 、岡崎の宇野医院サクラホール、福光の福光美術館の三箇所で行われたティム親子との共演を終た。ユルンヤコブ・ティムと知り合ってから37年になる。と言う事は次男で37才のアンドレアス(ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団首席奏者)が生まれた頃からのお付き合いになるのである(長男のトーマス・ティムはベルリンフィルでヴァイオリンを弾いている)。なんとユルンヤコブがまだ25才の時からだ。今回の演奏でユルンヤコブが使っていた楽器は100年前にゲヴァントハウス管弦楽団の首席チェロ奏者であったユリウス・クレンゲルが使っていた楽器(1700年ころのGiovanni Grancino)で、今回はそのクレンゲルが作曲した二台のチェロのためのコンチェルトをティム親子と名古屋芸術大学オーケストラオケとの協演も聴くことが出来た(この曲は同じくティム親子とライプチッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンサートでも演奏されたことがある)。長い付き合いのなかで今回のユルンヤコブの演奏はますます円熟の域に達して音も音楽も最高のものであった。そのユルンヤコブも三年後に定年を迎えるのである。 チェロとフルートという組み合わせはけっこうプログラムに苦労する。今までに様々なかたちで演奏してきたが、今回はパリ在住の上林裕子さんの編曲によるアンソニー・ホルボーンの作品、ガブリエル バタイユの作品、シューベルトのop.142-3即興曲を演奏した。他にベートーベンのフルートとチェロのための二重奏曲第一番ハ長調(原曲はクラリネットとファゴット)、ヘンデルのフルートソナタ第8番 ヘ長調などを演奏した。またシューマンのピアノ四重奏曲では生まれて初めてヴァイオリンのパートを吹いた。ユルンヤコブはヴィオラのパートを弾いたが、同じく始めてだと云っていた。幸せな日々であった。 ★ユルンヤコブ・ティムは来る7月24日に王子ホールで 浜野範子ピアノリサイタルに出演されます。★福光美術館でのコンサートの様子を伝える南砺万華鏡の記事。 |
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